屋外で使用するケーブルは、風雨や紫外線などの過酷な自然環境に耐えるために、室内用よりも高い強度と劣化しにくさ、耐久性が求められます。また、地域性も考慮しなければなりません。特に降雪地帯では、これに加えて電線に積もった雪の重さによる断線を防ぐ必要があります。降雪地帯での断線の原因は、電線に大量の雪が積もるだけでなく、溶けにくいために長時間にわたって大きな負荷がかかることです。
断線事故が起きると、電気の供給が止まるなど人々の生活に支障をきたし、場合によっては命も危険にさらされます。降雪地帯で屋外ケーブルを設置する際には、素材を吟味するだけでなく、負担を軽減するための設置場所や設置方法を考える必要があります。意外かもしれませんが、降雪地帯での屋外ケーブル選択の際、考慮するべき要素の1つは塩害です。塩害は海沿いの場所で、海風によって木材が腐食したり金属が錆びたりすることによる被害をいいますが、降雪地帯でも塩害が発生する可能性があります。
道路に積もった雪に対処するために道路に撒く融雪剤や凍結防止剤の主な成分は塩化物であり、塩分の電気を通しやすくする性質が漏電などの原因になるからです。従って豪雪地帯のケーブルには、高い耐塩性も求められます。センサーを使用して気温や重さを感知するタイプのケーブルなら、事前に雪が降る可能性を知り、重さによる負荷を察知して雪に備えることができます。普段は雪の降らない地域でも、万が一に備えることは無駄ではありません。